body 身体, mind ヨガ的哲学

ココロとカラダ

精神的に落ち込んでいたり弱い状態にあると、風邪を引いたり体調を崩すとういうような事は経験したことのある方が多いので、ココロとカラダの繋がりって割とイメージしやすいのではないでしょうか。その逆のアプローチ(身体→心)も然りな訳ですが、こちらの方は意外と気が付いていない方も多いように思います。アーサナにより身体を整えておくと、頭もすっきり気持ちも前向きになるんですよ~

人生の主人公は、他でもないご自身です。そしてヨガでは「自分」とは、いつか必ず朽ちて行く「身体」でも、その時々で揺れ動く「感情」でもなく、アートマン(真我)であると説いています。私はこれを、アーサナをした後に感じる、静けさの中に確固としてあるもの、自己の中に見ることのできるうっすらと光る、自分の「芯」の部分と繋がっているのだと感じています。

もう随分と前になりますが、シンガポールに家族の都合で引っ越してきて、仕事も人間関係もリセットされてしまった私は、自身の立ち位置がよく分からなくなってしまい、考えても仕方のないことをぐるぐるくよくよと考えたり、これと言った理由もなく塞ぎ込む時期がしばらく続きました。振り返って見て、今だったらもう少し他のやりようがあったかもと思えるのですが、その最中にあった際は、「これではいけない」という思いはあるものの、気力が落ちていて元気が出ず、元気がないから行動に移せない、とただ何と無く日々をやり過ごしていました。

そのような中でも時間はたくさんあったので、ひとりでアーサナをしていると、鬱々とした心の状態が少し遠くに感じられるとともに、自分の中に、澱のような小さな静かな塊があるのを感じる瞬間がありました。

ヨガの指導者になるためヨガに浸っていた修行時代には、アーサナや瞑想をした後に頭が冴えたり心が鎮まる感覚は何度となく経験し、そういうものだと受け入れていましたが、落ち着きや拠りどころを見失っている状態の心の中でも、少し体を動かしてみると確かな何かを感じることができ、「ヨガってこんな風にも使えるんだ」と、改めてヨガの効果のありがたみ、凄さを実感しました。

アートマンは、修行が進むともっと強く光り輝いて見えるようになるそうです。自分の手綱をしっかり掴んで、歩んでいきたいですね。