長時間座っていると身体がこわばる、疲れると感じられる方は多いと思います。無意識に座っていると、腹筋が抜けていて、背中は丸く、膝は開いているという状態の方が多いのではないでしょうか。短時間ですとその方が楽なような気がしますが、体の特定部分に偏って重さがかかってしまい、私自身も気を抜いて自分の癖のまま座っていると、首や肩、腰などに重さを感じることがあります。
時々休息をとってストレッチなどをするのも良いのですが、疲れを未然に防ぐ、全身の筋肉をほどよく協調して使う座り方を、ご紹介させていただきます。
#1 両足裏をしっかり床に置くように椅子に腰掛け、片側ずつ臀部の肉を手で引くようにして、骨盤を立てます。椅子に深く座ると足裏が床から離れてしまう場合は浅く座るか、背もたれも使いたい場合はヨガブロックや踏み台などを足の下に使うことをお勧めします。
#2 おへそを背中側に引き入れ、胸郭が前に出ないように軽く手のひらで押さえながら胸を上げ、もう一方の手のひらは、仙骨(骨盤後ろ側の平な面)に置き骨盤を立て坐骨を座面に降ろすよう、指先を下に向けます。両手で軽く体を前後で挟み背骨を天井に向けて伸ばすように意識します。
#3 手で臀部横の座面を軽く掴み、脇の下を天井に近づけるように意識を向けて両体側を伸ばします。鎖骨は左右に開き、肘は体に沿わせてやや後ろに引きます。上半身はこれでセットできました。
#4 内腿付け根の近くまたは両膝の間に、厚めに畳んだり硬めに丸めたタオル(お持ちでしたらヨガブロック)を挟みます。挟む場所は腿の付け根や膝の近くなど、ご自分で内腿の筋肉が意識しやすいところを探してください。
#5 [#3]での上半身をキープしながら、足裏全体で床を押し坐骨の2点で座面を感じます。脚の間にタオルやブロックを挟んでいると、体の中心線を感じやすくじんわりと体幹を使い続けることができます。背もたれを使う場合は、肩甲骨の少し下あたりを背もたれが支えるようにするといいでしょう。
最初のうちは、この状態で座り続けているのは難しく感じられる場合もあるかもしれませんが、気がついた時にこまめに意識するようにしてみてください。この座り方を続けていると、普段意識しにくいインナーマッスルが少しずつ鍛えられ、徐々にやりやすくなってきます。足裏や脚の筋肉も使いながら座っていると、上半身が体の内側から持ち上がるように感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。全身の筋肉を連携して体を支えるので、そのうちに長く座っていても体のこわばりが感じにくくなるのを実感していただけるのではないかと思います。
ご自宅やお仕事先で、是非お試しください。